2012年度(第3回)学生チャレンジ企画 実施報告書

官学連携による地域犯罪改善のための環境犯罪学的提言

実施内容 成果 反省点・今後の展望 収支報告 ホームページ掲載

実施内容

実施スケジュール平成24年7月3日~11月28日

7月3日 板橋区役所担当者との打ち合わせ
7月10日 台東区役所担当者との打ち合わせ
7月11日 両ゼミ打ち合わせ
7月18日 都庁担当者との打ち合わせ
7月30日~8月3日 板橋区役所青パト同乗
8月7日 台東区役所へのヒアリング
8月10日 浅草地区ひったくり現場調査
8月29日 板橋区役所へのヒアリング
8月30日 東武練馬地区ひったくり現場調査
9月17日~19日 合宿による成果報告会の練習
9月26日 成果報告会への最終打ち合わせ
10月18日 都庁における成果報告会
10月19日 立川市における成果報告会
11月28日 都庁担当者との反省会
 都庁治安対策本部に協力していただき、街頭犯罪の代表である「ひったくり」犯罪の発生状況を検証し、その防止について何をどのように行うべきか、守山・渡邉ゼミ合同で都の自治体代表者の方々に提言することとなりました。
 まず都内の発生現場から2ヶ所を選び、実際に現地に行って調査を行いました。対象となる2ヶ所は、警視庁による犯罪発生統計も参照しながら、歓楽街の代表である浅草地区と典型的な住宅街である東武練馬駅北部地区を調査対象に決めました。これらの地区の状況を把握するため、各地区防犯担当者との打ち合わせやヒアリングを行いました。
 自治体に対しては、街頭照明の設置状況、市民の苦情への対応、地域パトロールの状況、住民へのひったくり防止の呼びかけなど、警察にはひったくり認知件数の経年変化、検挙率、再犯率などを取材しました。

8月1日板橋区役所での打ち合わせ

8月30日板橋区ひったくり現場を調査

8月1日板橋区青パトに同乗し巡回に参加

10月18日都庁での成果報告会

作成した板橋区ひったくり・マッピング

 また地図ソフト、住宅地図などを利用しながら、調査対象地区の台東区、板橋区のひったくり発生地点をマッピングし、時間別の発生状況などもパソコン上で作図しました。これらを基礎資料に、次の事を調査することにしました。①通行量調査:午後4時30分から午後6時30分までの通行量(歩行者、自転車、バイク)、②照明調査:道路に沿って、夜間7時前後の照度等、ひったくり発生場所の照度、街灯タイプ、③道路の周辺の形状・地形調査:地図に地域の形状記入、近辺の撮影など。そして8月の休暇期間を利用し、上記の事について、実際に浅草署、高島平署の警察官立ち会いの下、浅草地区と東武練馬地区の道路で、午後4時から午後8時までひったくり発生現場を測量しました。
 ゼミ合宿では、これらの調査結果の分析を成果としてまとめる作業を行い、成果報告会のリハーサルを何度も行いました。そして、10月中旬に守山ゼミが都庁治安対策本部で東京23区役所安全安心まちづくり担当者に、渡邉ゼミが立川市で多摩地区役所担当者を集めて、パワーポイントを利用して成果発表会を開き、改善のための提言を行いました。

成果

 我々は、環境犯罪学に基づき、ひったくりは地区の街頭照度と関係しているという仮説を立てました。そこで、夜間の道路における明るさを中心に、調査対象地区の台東区と板橋区におけるひったくり発生地点の物理的環境を現場で調査した結果、次のような事に気付きました。①ひったくりは人目(人通り、車やバイクの通行数)の少ない場所、夜間照明が暗い場所で発生しやすい②犯人は逃走経路を確保するため、大通りから一本入った直線状の裏通りで発生しやすい③犯行時間は通勤帰り、買い物帰りの時間帯に集中しやすい④ひったくり犯は被害者を捜すために、コンビニ前、公園などで待機する可能性がある⑤車道と歩道が分離されていない場所はひったくりが起こりやすい、などです。また、ひったくり犯罪の被害者は買い物帰りの女性が多いというイメージがあるが、今回の調査で、浅草地区では飲酒した男性が深夜に襲われている事例もあり、男性も被害にあうことがわかりました。
 これらの調査結果から、今後、警察や地方自治体の関係者には、次のような防犯対策の実施を提言することにしました。第1に、ひったくり多発地区においては、街灯や防犯カメラの設置が必要である。それは、「犯人は顔を見られることを最も嫌がる」という環境犯罪学の研究結果に基づくためです。第2に、車道・歩道を分離してひったくりを物理的に行ない難い環境を作ること、これは交通事故の防止にもつながると思われます。第3に、犯行の起こりやすい公園、コンビニ、学校などに対する警察や自治体のパトロールを強化して、犯罪抑止活動を続けることです。
 実際の自治体関係者を集めた成果報告会でも、大学の実態調査研究が地域の安全にフィードバックできる点は大変良いし、今後もこのような官学の連携を強めるべきだという意見が多く、今回の調査と提言で多少なりとも、地域の安全に貢献できたのではないかと思います。また、ゼミ生の多くが現場の調査に参加し、自分自身の防犯意識が高まったことも、ひとつの成果となりました。

反省点・今後の展望

 実際に公共の道路や街頭を使用して現場調査を行う場合、警察や地方自治体の方々の協力を得なければ実現できません。今回の調査では他にも調査対象候補があり、そこでも調査をしたかったのですが、自治体の協力を得ることが出来ませんでした。学生が該当地域で研究調査を行う場合には、外部の機関の許可、協力関係が必要であり、長い協力関係の継続と信頼を得ることが必要なのです。今回、守山先生、渡邉先生の都庁や警視庁、自治体との人脈によって協力を得ることが出来ましたが、学生が単独で行うことは難しく、先生方のネットワークがどうしても必要になってしまう壁を感じました。特に、今回の調査は犯罪関係の事例であるために、地域住民の中には不審に思う人もおり、現場での撮影などでは住民の人権にも配慮しなければならず、実際、警察官に立ち会ってもらうなどの特別な協力も必要であったり、現場調査の難しさを感じました。
 今後の課題としては、住民の犯罪不安は、「オレオレ詐欺」、「子供の安全」、「痴漢、強制わいせつ」、「防犯カメラの効果」などたくさんの事案があります。自治体関係者の方からは、例えば、「オレオレ詐欺」についてのテーマを扱ってほしいという要望もいただきました。来年の活動はこれらの事案の中から検討する予定です。
 今回の調査では都庁、警察署、自治体の方々と交流することによって、犯罪問題に対して、日々、多くの方たちが防犯に取り組んでいるかを知ることができました。そして、犯罪というリアルな問題には、大学の学問として学ぶだけでなく、実際の地域問題として具体的に解決する方法が求められていると感じました。
 なお、都庁では今回の成果報告書をパンフレットに掲載していただけることになりました。

収支報告

支出総額 251,193円 奨励金 250,000円

内訳

項目 個数 小計
<交通費>    
板橋区青パト同乗に30名参加    
 板橋区役所駅まで 28名×2 25,760円
 高尾駅から 2名×2 4,240円
高島平警察署へのヒアリング8名参加    
 高島平駅まで 8名×2 8,800円
台東区役所へのヒアリング5名参加    
 上野駅まで 5名×2 3,200円
浅草地区ひったくり調査に18名参加    
 浅草駅まで 18名×2 16,560円
板橋地区ひったくり調査に19名参加    
 東武練馬駅まで 19名×2 13,300円
     
項目 個数 小計
都庁成果報告会への30名参加    
 都庁前駅まで 30名×2 28,800円
立川成果報告会への12名参加    
 立川駅まで 12名×2 16,800円
<購入費>    
照度計   21,070円
住宅地図   30,345円
プロジェクター   39,800円
道路測定機その他一式   10,460円
ノート、ボールペンなど事務用品一式   18,010円
記録媒体、電池など一式   3,548円
<その他>    
ボランティア保険   10,500円

合計 251,193円

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