2013年度(第4回)学生チャレンジ企画 実施報告書

信州鹿教湯温泉地域の魅力発見ハンドブックのデザイン

実施内容 成果 反省点・今後の展望 収支報告 ホームページ掲載

実施内容

実施スケジュール平成25年7月17日~平成26年3月1日

7/17 企画会議
(以後、研究室ゼミ後に実施)
10/10〜13 現地調査(3泊4日)
11上旬〜
12下旬
ハンドブックのデザイン
(個人作業および全体調整)
1月上旬〜
中旬
現地関係者による内容確認
2/19 データ入稿(27日納品)
2/28 鹿教湯温泉交流センターでの
成果発表会
(ハンドブック贈呈)
 長野県上田市の山あいに位置する鹿教湯(かけゆ)は古来の湯治場として知られる小さな温泉町である。高度経済成長期から安定期にかけて慰安旅行の団体客で賑わった時代もあったが、旅行の形態が少人数グループの短期周遊型へ移行すると客数が減少傾向に
転じ、近年は少子高齢化と
相まって、かつての活気が失われている。

現地取材の様子

現地作業の様子

研究室メンバー(宿泊先にて)

 上記の歴史的背景と現状を踏まえ、鹿教湯では2012年度に地域の魅力向上と活性化を目的とした長期的な取り組み「鹿教湯温泉100年ブランド創造プロジェクト」がスタートした。
 私たちは同プロジェクトを基盤とする「鹿教湯温泉 地域デザイン会議」に工藤准教授が招聘されたことをきっかけとして、長野大学および千葉大学のデザイン学生とともにボランティアとして現地を訪れ、地域の方々と交流を深めながら、住民の意識調査(2012/11/14-16、学生5名参加)に取り組み、年度末の成果発表(2013/3/15-16、学生4名参加)に参加した。

観光協会会長へ贈呈
 以上の活動を踏まえ、2013年度は拓殖大学の奨励金を得て、デザイン学生ならではの客観性と創造性を踏まえた現地の取材および魅力発見ハンドブックの制作に取り組んだ。制作の目的は鹿教湯のコミュニティデザイン(住民主体の地域活性化活動)の支援である。ハンドブックをとおして地域の方々に地元の魅力を再認識してもらいたい。
 制作にあたり、7月中旬から週1回程度の企画会議をもち、地域理解や参考となるデザイン事例の分析に取り組んだ。10月中旬(2013/10/10-13)には3泊4日の取材旅行に出かけ、3班編成で写真撮影を主とした資料収集や住民へのインタビュー、編集作業に取り組んだ。また、期間中、懇親会や旧温泉宿の清掃ボランティアに参加し、地域の方々との交流を深めた。帰京後、班ごとにハンドブックのデザインに取り組み、それぞれの案を比較検討した結果、以下の2件を実際に印刷することとした。内容については、事前に関係者の方々に確認して頂いた。

ちいさいかけゆ

シカメラ

制作物①「ちいさいかけゆ」
既存の湯巡りスタンプラリーを下敷きに、地域の方々に鹿教湯温泉の魅力を再確認させることをねらいとした。封筒(長形3号)に入れ、友人知人に気軽に贈ることを想定したサイズ(縦110×横210mm、上下開き、二つ折り・無線綴じ、本文12ページ)である。

制作物②「シカメラ」
地域名の由来にもとづき、「鹿が案内する鹿目線の鹿教湯」をコンセプトに、地域の方々にとっての日常の風景に新しい視点を提供することをねらった。B6サイズ(縦182×横128mm、左右開き、二つ折り・無線綴じ、本文20ページ)である。

 以上2件については、鹿教湯温泉交流センターで開催された成果発表会(2014/2/28)で披露するとともに、各700部を観光協会会長・斉藤宗武氏と上記プロジェクトのリーダー・斉藤明氏へ贈呈した。

成果

 当初の計画どおり、鹿教湯のコミュニティデザインを支援するハンドブックの制作を完了し、現地に贈呈することができた。自らデザインしたものが実際に印刷され、多くの人の手に渡るという経験は、私たちにとってほとんど初めてのことであり、各々の卒業研究と同様、今後の社会人生活にあたって、大きな自信となるだろう。また、お世話になった地域の方々との交流もかけがえのない財産である。
 ハンドブックについては多くの関係者の方々から、そのアイデアと表現について「ユニークな視点に
驚いた」、「ワクワクする」等の好評を得ることができた。成果発表会の後、現地の新聞や関係者のSNS等で紹介されたこともあり、鹿教湯の内外から問い合わせがあるとのことで、デザイナーとしては嬉しい限りである。
 ハンドブックの利活用については、贈呈先の上記プロジェクトの実行委員会および観光協会に、次代を担う若年層への配布希望を伝え、一任した。今回の活動が少しでも鹿教湯温泉地域の活性化に寄与できれば幸いである。

反省点・今後の展望

 最も苦労したことは卒業研究との両立である。本企画の参加学生は全員4年生のため、各自卒業研究に取り組んでいた。これと並行するかたちで本企画の打ち合わせや編集作業を進めることは、予想を超える労力を必要とした。しかし、振り返ってみれば、本企画によって得た知識や経験が卒業研究にも大きく役立った。また、SNS等をとおして、現地の方々からさまざまの助言や励ましを頂けたことも心強かった。
 取材においては、すでに述べたとおり、地域の方々から有形無形のサポートを頂き、苦労したことや上手くいかなかったことは、何一つなかった。ここにあらためて御礼申し上げます。
 本企画の参加学生は全員卒業となるが、今後はそれぞれ社会人の立場から鹿教湯温泉地域をサポートしていきたい。

収支報告

支出総額 303,720円 奨励金 230,000円

内訳

項目 個数 小計
現地調査(H25/10/10〜13)
交通費
 八王子駅ー
 鹿教湯交流センター
   
 チャーターバス往復代   60,000円
 高速代   25,520円
宿泊費 8名×3泊 84,000円
項目 個数 小計
現地成果発表(H26/2/28)
交通費
 八王子駅−松本駅  往復×2名 18,000円
宿泊費 2名×1泊 7,000円
ハンドブック制作    
印刷費
 「ちいさいかけゆ」 900部 54,200円
 「シカメラ」 900部 55,000円

合計 303,720円

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実施計画書

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