2013年度(第4回)学生チャレンジ企画 実施報告書

Volunteer Team による被災地復興に向けてのスタディツアー

実施内容 成果 反省点・今後の展望 収支報告 ホームページ掲載

実施内容

実施スケジュール平成25年7月11日~平成26年1月22日

 7 /11 勉強会
 7 /18 打ち合わせ
 9 / 7 ~11 ラオス ホアイフン・タイ村に滞在
(生地の買い付け)
 9 /12 生地を宮城県の南三陸ミシン工房に発送
 9 /28 南三陸ミシン工房訪問
10/16 商品完成
10/18~20 紅陵祭での販売
11/7 報告会
11/20~ HP作成
 1 /10 工学部デザイン学科 工藤芳彰教授との打ち合わせ
1/22 工学部デザイン学科 学生との打ち合わせ

第一回派遣 門脇小学校前で語り部さんに
お話を伺う

第一回派遣 仮設住宅にて

 2013年7月6日に学生チャレンジ授与式があり、翌週の木曜日11日から活動を開始しました。毎週木曜日にTVTの定例会と勉強会が行われているので、それに合わせ毎週木曜日に打ち合わせを行いました。

 2013年9月7日から11日まで5日間 、TVTのメンバー4名でホアイフン・タイ村に滞在し、
縫製品を作るための生地の買い付けをしました。
1日目は村を散策しました。2〜3日目は布の買い付けを行いました。4日目は近くの川に遊びに行ったり、村で行われていたお祭りに参加して、村の人と一緒に食事したり踊りを楽しみました。5日目はお世話になった家に挨拶にまわり、お昼頃に村を出ました。

 帰国後すぐに、生地を宮城県の南三陸ミシン工房様に発送し、9月28日に南三陸ミシン工房を訪問しました。スケジュール調整が合わず、南三陸への訪問は1名のみになってしまいました。当時はまだミシン工房がなく、作り手の女性たちは自宅で縫製していました。しかし毎月1〜2回集まりがあり、今回はその日に伺いました。集まりでは仕事の振り分けや技術指導が行われていて、私たちが委託したブックカバー制作は初めてだったようで、その日に作り方の講義が行われ、みなさん真剣なまなざしで聞き、メモを取っていました。

第二回派遣 石巻市内でのお祭りの様子

 南三陸ミシン工房に委託した商品は、10月16日にミシン工房の代表である、熊谷氏が拓殖大学に届けに来て下さり、その際メンバー全員でご挨拶をしました。
 商品は10月18日から20日の3日間、紅陵祭で販売しました。文化祭には、南三陸ミシン工房の代表と副代表の方、南三陸ミシン工房に縫製の指導をしている鈴木恵美さんが見に来て下さいました。  11月7日に活動報告会を行いました。その後、この企画のHPの作成を開始しました。
 当初予定していませんでしたが、元青年海外協力隊員の清水理栄さんの協力により、ラオス国内での商品販売が実現しました。

第一回派遣 NGOの方とミーティング

第四回派遣 仮設住宅にて食事を一緒に作る

 現在は、商品に付けるお品書き作成を、工学部デザイン学科の学生協力のもと進めています。商品販売はショップでの委託販売を中心に行っていくことになったので、今は店頭に商品を置いてくれるお店を探しています。

成果

 私たちTVTは、東日本大震災をきっかけに立ち上がった有志団体です。震災後のGWから、現地でヘドロ出しやガレキの撤去を行いました。震災から約3年の間、被災地復興に向け、マンパワーの活動だけでなく、お祭りのお手伝いや傾聴ボランティア、スタディツアーなど様々な形で関わり続け、活動しています。今回のフェアトレード企画もそのうちの1つです。私たち拓殖ボランティアチームの中に「震災・災害」といった言葉が入っていないのは、活動内容を東日本大震災のみにとらわれない為です。メンバーは約3年間復興活動に取り組み、同時に、常に自分にできることを視野を広く持ち考え、自分自身に問いかけてきました。その結果が今回の企画発案に至ったと思っています。

 この企画実行により、私たちは多くのことを学びました。まず、ラオス ホアイフン・タイ村での5日間の滞在では、日頃国際学部の授業で学んでいる途上国を、自身の目で見ることができ、現地の人と同じ生活を送ることで何も無い(物で溢れていない)ことが不自由でもあり、また幸せでもあることを知りました。

 ホアイフン・タイ村では、布を観光客に対して販売し副収入源になることを望んでいながらも、布の縫製技術はなく布のまま販売しています。観光客は、布のままでは用途が無く買うことはあまりないでしょう。今回作られた商品は、元青年海外協力隊員であった清水理栄さんのご協力により、ラオス国内で販売することもできました。商品として現物を見ることが、布にひと工夫加えるだけで、商品として価値が上がることを布の織り手のカトゥ族の女性たちにも知ってもらえたらと思います。

 南三陸ミシン工房の方には、ホアイフン・タイ村の方が織った布を縫製することが楽しいと言っていただいています。単純に、南三陸ミシン工房とホアイフン村の方が給料を貰えるというだけでなく、繋がることのない人々が繋がり、支え合い、充実した気持ちになってもらえることがとても嬉しく感じます。

 また、紅陵祭では多くの方々が足を止めて、私たちの話を聞いてくださいました。
 私たちの活動を通して、南三陸ミシン工房やホアイフン・タイ村について知ってもらえたこと、フェアトレード商品購入という支援を伝えられたことも、大きな成果だと思います。

反省点・今後の展望

 一番の苦労はやはり、ラオス ホアイフン・タイ村での5日間です。慣れない環境の中、常に人と一緒に生活する息苦しさもありました。食事も苦手なものもありましたし、お風呂は外(何にも囲まれていない所)で体に布を巻き隠しながら、溜めてある雨水を浴びるだけです。現地に行ったメンバー4人は、ボランティアをしているからなのか、元々の性格なのか、普段の生活との違いを楽しんでいましたし、とても現地に馴染んでいました。

 5日間の生活の中でも特に苦闘したのは、買付け時のコミュニケーションです。村には英語を話せる人は1人だけで、その人は自営業を営んでいるためついてきてもらえません。なので、買付け時は少しのラオス語とボディランゲージで乗り切るしかありませんでした。こちらも日本で売れる商品を作らなければいけないため、しっかり、ひとつひとつ見て、電卓で値段交渉をして購入していきました。しかし、村の女性たちの必死さも恐ろしいものでした。少しでも多く売り、家計の足しにしたいのです。「私の布を買ってくれ。私の布を買ってくれ。」と売り込みます。その日は1人1人と静かにしっかり交渉するために1軒1軒まわっていたのですが、4軒目には20人ほどの女性たちに囲まれていました。あの必死な女性たちの顔を忘れることが出来ません。

 品質のためなのですが、購入しない理由を丁寧に伝えたかったのですが、これも少しのラオス語とボディランゲージでしか伝えられなかったので後悔しています。

 今後も、この活動は続けていきます。今年の夏も新しいメンバーと共に、ラオスと南三陸に行き、文化祭での販売を予定しています。販売の場も紅陵祭だけでなく、ショップでの委託販売を計画中です。
 現在は、工学部デザイン学科の学生の協力のもと、商品に付けるお品書きを作成中です。

収支報告

支出総額 134,373円 奨励金 130,000円

内訳

項目 個数 小計
9/7~
ラオス国内での移動費
1人1万支給
4名 40,000円
9/7~
ホアイフン・タイ村での
ホームステイ・食費
  12,480円
布買い付け   30,000円
項目 個数 小計
加工費   28,718円
紅陵祭費(テント・パネル・写真印刷代など)   17,680円
南三陸ミシン工房訪問バス代
(東京~仙台)
1名 5,495円

合計 134,373円

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