企画の概要

最近、新潟市で小学2年女子が下校途中に殺害されたように、子どもが通学路において被害に遭う事件が少なくない。過去においても奈良、栃木、広島などで同じように下校途中の小学校低学年女子が誘拐され殺害されている。また、実際には被害に遭わなくても不審者に声をかけられたり、追いかけられたするなどして未遂に終わった事件は数知れないほどである。被害者は女子に限らず男子にも及んでいる。
わが国は欧米などと異なり、登下校には子どもに任され、父母が同伴したり、スクールバスを運行したりすることが少なく、せいぜい集団で登下校するにとどまり、子どもが一人になる時間が生じており、そこを犯人が狙っている。つまり、毎日の登下校において「こどもの安全」が脅かされる深刻な事態となっている。そこで、守山ゼミと渡邉ゼミはこの問題に対処することとし、警視庁や東京都からの指導や助言を受けながら、通学路の安全を図るための地域活動を行うこととする。また、紅陵祭の展示では、検証結果を展示する。
活動の内容としては、①登下校の安全に関するアンケートの実施、②登下校における立ち会い、③小学校における児童向け実演・クイズの実施、④アンケートの集計・分析と新たな通学路安全の提案、などである。

期待される成果・結果

われわれの共同企画では、荒川区内(やれるところが見つかれば文京区内)の特定の小学校と連携し、登下校の見守り活動に参加して、児童の通学を安全に誘導したり、学校において防犯教室を実施し、通学路における注意点などをクイズや寸劇によって示すなどして、児童に実践的な安全確保の方法などを提示する。このような活動を数回実施し、その前後においてアンケート調査を実施し、児童の防御意識がどのように変化したなどを分析、考察する。
このような活動は地域住民や警察官によっても行われているところもあるが、学生は児童に近い年齢で指導できる立場にあり、児童からみれば身近な存在であるから親しみやすく、わかりやすい方法で自ら身を守ることを学ぶできるため、効果は大きいと思われる。そして、これまで見落としされがちであった通学路安全の盲点を指摘して、それを改善することを提言し、新しい登下校の安全な方式を実現できるものと考える。
実際、現在多く実施されている集団登下校システムでは逆に児童の外部の危機に対する自衛能力が低下するという心理学的な実験結果などもあり、これらについても検討を加えて、新しい方式を考案する意義は大きいと思われる。

実施期間

平成30年6月27日～平成30年10月31日

企画経費

総経費　150,000円

メンバー一覧