採択企画の紹介
2024年度 第15回 採択企画
- 企画名
- 日本とベトナムの文化交流~in Vietnam
- チーム名
- 日越カルチャー
- 活動資金
- 150,000円
- 企画概要
- ベトナムには日本への留学を希望する生徒が数多く存在します。しかし、彼らはSNSやアニメ、漫画で日本に興味を持っても、実際に日本の文化に触れられる機会が少ないのが現状です。そこで、私たちはベトナムの高校生たちと日本人大学生が文化交流できるイベントを企画しました。現地の高校生に日本の良さをさらに知ってもらい、最終的には日本への留学を一つの選択肢として考えてもらえばという思いでこの企画に臨みます。
- 具体的な目標と期待される成果
- 日本人と一緒にベトナムのカントー市を訪れ、地元の高校生と交流するイベントを企画しました。具体的な内容として、イベントは8月の下旬に予定されており、事前に高校の活動担当の先生とミーティングを行い、現地の状況を確認します。そして、高校生に活動の内容を周知するために、ポスターを作成し、100人の参加者を募集したいと考えています。また、イベントの記念としてTシャツをデザインし、ベトナムの会社に依頼して制作します。参加者が楽しめるように、日本のお菓子などを準備し、日本の雰囲気を味わえるよう心がけたいと思います。
主な活動内容は、まず日本人とベトナム人の高校生をグループに分け、自己紹介などを行います。言語の壁がある中での交流を楽しむためにゲームなどを行い、日本の文化である折り紙をベトナムの高校生に紹介するために、様々な折り紙を制作します。完成した作品はA1の紙に貼り、日本とベトナムの人気のある絵などとともに壁に飾ります。さらに、日本語を学習したい高校生のために、日本語の教科書を購入し、図書館にコーナーを設けて貸し出したいと考えています。
また、日本人たちにはカントー市民の生活や現地の課題について知る機会を設け、理解を深めてもらうことを目指しています。目標は、まず第一にベトナムの高校生たちに日本語学習のきっかけを提供すること、そして第二に、日本人たちにカントー市の魅力や現地の課題を知ってもらい、問題解決に向けた意識を高めることです。
- 企画名
- Special carD GameS~環境問題の現状を知ろう~
- チーム名
- ES(Environment Savers)
- 活動資金
- 77,000円
- 企画概要
- 近年、環境問題やSDGsへの関心が企業や消費者の間で高まっていますが、これらを学ぶ機会は少ない現状にあります。そこで私たちは、環境問題の知識とSDGsへの理解度が高まるカードゲームを制作し、多くの人々が楽しみながら学ぶ機会を創造したいと考えました。
そして、実際に小学校や紅陵祭で制作したカードゲームで遊んでもらい、子どもたちがSDGsへの興味・関心を持つきっかけ作りに寄与する活動を行います。
- 具体的な目標と期待される成果
- 地球環境と私たちの生活は密接に関係しています。そして、現在、世界で解決しなければならない環境問題の多くは人間活動によって引き起こされたものです。これらを解決していくためにまずは、「現状を知ること」が重要だと考えました。「環境問題の現状を知り、自分自身の力だけでも解決のための行動ができる」ということを伝えていくことこそが、私たちが活動する意義だと考えます。そこで私たちは以下のようなチャレンジをしたいと考えています。
1.小学生とその小学校の教員を対象に環境問題・SDGsに関するアンケートを実施する。
2.アンケート結果をもとにカードゲームを制作する。
3.私たち自身も環境問題について学ぶために複数の施設を訪問する。
4.紅陵祭でカードゲーム体験会を実施し、目標来場者数150人の人々に遊んでもらう。
5.SNSでの活動を通じて、私たちの活動や環境問題について発信する。具体的にはInstagramのフォロワー数200人を獲得する。
6.アンケートに協力してくれた小学校へ制作したカードゲームを提供する。
7.参加者が環境問題やSDGsについて深く理解し、認知度の向上を図る。
私たちの活動を通して、より多くの人々に問題意識を高めてもらうことで、自らの行動を振り返り、環境に配慮した行動に繋がるきっかけを作ります。また、環境配慮やSDGsへの貢献は個人単位でも行動できるものであると認識してもらい、「自分にできることはないか」と積極的に行動する力を養います。
カードゲームには、環境問題やSDGsに関する様々な課題とそれに対する解決策を記載します。参加者がこれらの課題を解決する過程で、問題解決能力や創造力が向上し、現実世界での課題に対処するためのスキルを身につけることが期待されます。
私たちはこの活動を通して、多くの人々に環境問題の現状と課題について発信していきたいです。特に未来を担う子どもたちを中心に大人も楽しく学べるカードゲームを体験しながら、環境問題について学んでもらうことで、自然と知識が身につくと考えています。私たちは地球環境に対する一人ひとりの意識を向上させ、社会全体が持続可能な世界であり続けるための行動ができるようアプローチをしていきます。
- 企画名
- 竹の可能性 サステナブルな資源活用
- チーム名
- Bamboos
- 活動資金
- 89,000円
- 企画概要
- SDGsの達成年を数年後に控えた現在、日用品市場において持続可能性を重視する消費者から竹製家具の支持が拡大しています。そこで私たちは、間伐によって伐採し、廃棄される竹を利用し、身の回りで使える日常用品を製作します。さらに、大学の学園祭で展示や販売を行い、拓大生や地域の方々といった多くの人達に、バンブー素材が環境に優しいエコ素材であると知ってもらうことを目的として活動します。
- 具体的な目標と期待される成果
- 大学生約45人を対象にアンケート調査を行った結果、竹製品を今までに使用したことがある人とバンブー素材を知っている人の割合はそれぞれ、50%程度でした。この結果から、私たちが日頃、竹製品に触れる機会が少ないこととバンブー素材自体の存在やその特性、利点が広く知られてないという点で、竹の認知度が低いことが分かりました。今回、私たちの企画でバンブー素材の魅力と性質を発信し、認知度を向上させることで、多くの消費者に竹製品を購買の選択肢の一つとして認識してもらえるようになると考えています。
この企画の目標は、竹の持つ強度の高い弾力性や耐火性、耐久性といった様々な利点や魅力を広く知らせること、竹を持続可能な素材として再評価すること、そして、竹を使った製品の開発と普及を通して、環境保護への貢献や竹の認知を広めていくことです。具体的には、成長した竹林から伐採し、廃棄される予定の竹を用いたランタンなどの製作や竹について調査・体験したことを資料やポスターにまとめます。最終的に、拓大生を含めたより多くの人に知ってもらうために、完成したものを紅陵祭で展示や販売、さらに、来客に竹ランタンの製作を行う体験会を開催したいと考えています。また、可能であれば地域の小学校や役所に寄贈することも考えています。これらの活動から、紅陵祭でのアンケート調査を基に、竹に関する知識や関心度を70%以上にすることと、SNSのフォロワー数100人以上を達成します。
この企画によって期待される成果は、竹を取り巻く諸問題の認知度の向上や持続可能な資源として再評価され、森林伐採や環境破壊を抑制する一助となることが、考えられます。また、竹をより知ってもらうことで、製品市場の拡大や竹を用いた環境に配慮した生活様式の普及なども挙げられ、竹を生産する地域経済の活性化などのきっかけになると考えます。
現在、放置竹林といった環境問題があるにもかかわらず、我々が日常生活で竹に接する機会は多くないため、このプロジェクトから、
①竹林の保全や再生
②竹産業の振興
③地域の活性化
④環境負荷の軽減
など様々な面で良い影響を与えることができるのではないかと考えられます。
- 企画名
- エルデネ・プロジェクト2024
- チーム名
- エルデネ・プロジェクト実行委員会
- 活動資金
- 250,000円
- 企画概要
- エルデネとは「宝」を意味するモンゴル語です。この企画は、私たちが新たなモンゴルの価値を探し出すという取り組みです。2024年に発生した大寒波ゾドでは、約210万の家畜が犠牲になりました。家畜という財産を失った人々は、伝統的な遊牧を維持できず、首都ウランバートル郊外に定住し、ゲル生活を余儀なくされています。本企画は厳冬期の遊牧民に所得増加の機会を与え、遊牧文化を持続させる国際貢献を目的としています。
- 具体的な目標と期待される成果
- マイナス40度を超える大寒波ゾドによって家畜を失った遊牧民は、伝統的な生活を維持できず、首都ウランバートル郊外に定住し、ゲル生活を余儀なくされています。そして、生活インフラのない不法定住は、生活排水による土壌汚染、感染症リスクの増加、石炭ストーブによる空気汚染など、さまざまな問題を引き起こしています。
本企画「エルデネ・プロジェクト2024 (Эрдэнэс Project 2024)」は、モンゴルの生活に欠かせない「羊毛」に「新たな価値」を与え、遊牧民の所得増加を目的として企画しました。今回のプロジェクトで生み出す「新たな価値」は、特産品でありながらもそれまで国内市場や観光客向けにしか消費されてこなかった羊毛フェルトを、日本人のニーズに合致した形で加工・商品化し、日本へ輸出することで生まれる価値です。
具体的には、日本の伝統的な季節文化の一つである「ひな祭り」に供される「吊るし雛」を羊毛フェルトで製作し、商品化することを考えています。これまでの試行錯誤から、羊毛とニードルで作る羊毛フェルトは、比較的短期間での技術習得が可能であることが判っております。またモンゴル科学技術大学のバーサンダシュ教授の協力のもと行われた遠隔企画会議では、モンゴルでは商品化できない多くの羊毛が廃棄されており、モンゴル大統領はこれをツァガーンアルト(白い金)として活用する運動を展開していることが紹介され、まさに本企画は国連が進める持続可能な開発目標(SDGs)の達成に資する、時宜を得た取り組みといえます。
今回の学生チャレンジ企画では、この第1段階として、
①現地の羊毛フェルトの利用状況の調査、
②モンゴル科学技術大学、エルデネダライ村関係者と協力し、羊毛フェルトを使用した「吊るし雛」製作の実演(羊毛フェルト・フェスの開催)と文化交流、
③商品の価格決定と実効性の検証、課題への対応
の3点について、計画的に行いたいと考えております。
学生チャレンジ企画として採択され、その実効性が認められれば、本企画はその後、BOPビジネスへと大きく発展していくことも期待できます。また、企画に関心をもった国内の玩具メーカーなどが、この取り組みを支援してくれることも期待できます。それは本学も取り組んでいるSDGsのいくつかのターゲットを解決に導く貢献となり、ひいては海外雄飛を掲げる本学の名声を高めることにつながると思います。