最終報告書

拓殖大学・
館ヶ丘団地新設の地域食堂
「たてキッチンさくら」を
支援するデザインプロジェクト

  • 団体名 CDS
    (工学部・工藤研究室+国際学部・徳永ゼミ)
  • 代表者 工学部 デザイン学科 4年 松本 真依
  • 参加メンバー人数 16名

実施スケジュール

平成30年5月7日~10月20日

5月7日地域食堂となる店舗の現状確認(たてキッチンさくら)
5月9日工藤研究室と徳永ゼミで打ち合わせ
5月11日壁を使った有効性の会議
5月16日館ヶ丘団地勉強会
6月21日インフォメーションボードのデザイン決定
6月23日館ヶ丘団地ボランティア説明会参加
7月4日インフォメーションボード形状決定
7月20日マグネットペイントを塗り
7月23日ボードの制作
7月26日チョークペイント
8月7日工学部作業参加・チョークボード
5枚完成・チョークボード3枚制作途中
8月23日ボード取り付け
8月27日蜜蝋を塗布
9月3〜6日チョークアート制作
9月8日プレオープン、たてキッチンさくら試食会
9月9日たてキッチンさくら・苗村さんとの会談
9月12日第一回交流プログラム打ち合わせ
9月15日第一回交流イベントポスター作成
9月18日ポスター完成
9月20日ポスター引き渡しと掲載
9月26日交流イベント用のパワーポイント作成
10月2日交流イベント開催打ち合わせ
10月6日「第一回交流イベント」開催
10月19日紅陵祭(ワークショップ)
10月20日「第二回交流イベント」開催

実施内容・成果

 拓殖大学八王子国際キャンパスに隣接する館ヶ丘団地は、1970年代初めに開設された大規模団地である。かつては1万人の居住者で賑わっていたが、現在、高齢化率54%、そのうち独居高齢者が約半数(800人)に達する超高齢化団地となっている。本プロジェクトは9月初め、同団地内商店街の一角に、住民主体の「団地応援隊」によって開設される地域食堂『たてキッチンさくら』を、地域のコミュニケーションハブとして機能させるべく、店内飲食スペースの壁面デザイン(『ミナカベ』)と、地域イベントの呼び水としてのワークショップ実施に取り組んだ。

ボード制作
蜜蝋塗り

1)『ミナカベ』の制作・施工および運用について(主担当:工学部・工藤研究室)
 『ミナカベ』と名付けた壁面デザインは、店内左右の壁面に取り付けた有孔ボードに金具を引っかけることにより、チョークで絵を描いたり、磁石でチラシ等を保持できるマグネット対応チョークボード(インフォメーションボード)と、様々な立体物を飾ることができる展示台(プラットホーム)を自由に設置・可動できるものである。
 インフォメーションボード(8枚)は、学内実習工場の加工機械を用いて、9㎜厚のシナ合板から50㎝角の板を切り出し、手掛かりを開け、ヤスリ掛けしてから、表面中央にマグネットペイント(3回塗布)とチョークペイント(2回塗布)を、表面木部に蜜蝋を塗布したもので、桜、空、植物をイメージしたピンク、ブルー、グリーンの3色がある。
 プラットフォーム(13枚)は、同じく9㎜厚のシナ合板から40×15㎝の板を切り出し、引っかけ金具保持のためスリット加工を施し、表裏に蜜蝋を塗布したものである。
 これらは、地域食堂を飾る装飾として、また週末等に実施されるワークショップ等のイベント時の情報表現のメディアとして、地域コミュニケーションをサポートする。インフォメーションボードについては、開店に合わせて「秋の食材」をテーマにしたチョークアートを施し、店内に掲示しており、運営関係者や来店者に喜ばれている。このチョークアートは定期的に描き直していく予定である。

マグネットペイント塗り
チョークアート制作

2)ワークショップ実施について(主担当:国際学部・徳永ゼミ)
 『たてキッチンさくら』の開店からほぼ1ヶ月が過ぎた10月6日(土)の13時から、店内を会場に、同店初のワークショップ「団地住民と拓殖大学生の交流会」を開催した。開催にあたり、事前に店舗内にポスターを掲示し、参加者を募った。参加者は住民16名、CDS学生10名で、双方の基本情報(自治会からは団地の歴史や居住情報、CDSからは大学の歴史や施設、ゼミ活動など)を共有した後、今後の協働活動について意見交換した。
 次に、10月20日(土)13時から、第二回目のワークショップ「フォトフレーム作り」を実施した。当初、既製品を飾り付ける方向で進めていたが、最終的に板状の土台にフェルトを貼り付け、そこに写真を入れるポケットを作り、そのまわりを飾り付けることにした。土台は20㎝角のプラスチック板で、参加者は好みの色のフェルトを選び、写真を入れるための切り込みを入れ、飾り付けた後、吊り下げ用の糸を付ける。金具を使って店内の『ミナカベ』に掲示することが可能である。イベント当日は小学生3名を含む15名ほどの参加者で賑わった。ワークショップを通して写真撮影が趣味の方から話を聞いたり、子どもたちと楽しく遊んだりと、交流を深めることができた。

プレオープン
たてキッチンさくら内の蜜蝋塗り

3)今後の期待
 本プロジェクトの目的は「地域食堂のコミュニケーションハブ化」であり、そのための仕掛けづくりと呼び水としてのイベント実施を成功させた。すでに、法政大学グループが『ミナカベ』を利用して桜の木を模したメッセージボードを取り付けるなど、コミュニケーションハブとして機能しつつあり、拓殖大学の学生グループはもちろん、地域住民や近隣の団体など、ますますの利活用が期待できる。CDSとしては、今年度の学チャレ終了後も、チョークアート更新やワークショップ実施など、引き続き支援していく予定である。

第一回ワークショップ
第二回ワークショップ
第二回ワークショップ

反省点など

 上記のとおり、当初の計画どおりプロジェクトを実施することができ、団地応援隊の方々はもちろん、多くの関係者から想像を超える評価をいただくことができた。もちろん、個別にみていくと、反省点や改善点に気が付くが、そのことも含め、今後の支援に役立てていきたいと考えている。また、『ミナカベ』については、ぜひ他の学生グループにも利活用していただきたい。

会計報告

  • 支出総額 201,140円
  • 活動資金 200,000円
内 訳
項 目小 計
消耗品費プラットフォーム及びインフォメーションウォールに使用した木材133,746円
プラットフォーム及びインフォメーションウォールに使用した塗料25,025円
塗装道具(筆、ローラー、バケツ)2,433円
木部保護のためのワックス、ウエス12,021円
チョークアート資料12,739円
紅陵祭用 材料1,512円
第一回ワークショップ用 材料502円
第二回ワークショップ用 材料8,430円
模造紙427円
印刷費第一回ワークショップ用 ポスター印刷1,600円
第二回ワークショップポスター印刷代(一部自己負担)1,565円
合 計200,000円
その他活動資金以外にかかった経費【自己負担分】
飲食代第一回ワークショップ用 飲み物705円
印刷費第二回ワークショップポスター印刷代435円
合 計1,140円

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