留学生へのオンライン就職支援

  • 団体名 留学生就活支援プロジェクトチーム
  • 代表者 商学部 国際ビジネス学科 3年 宮﨑 智恵
  • 参加メンバー人数 12名

実施スケジュール

2021年5月3日~9月30日
5月3日 企画の立ち上げ
5月19日 留学生担当教員に協力を依頼し就職活動の悩みに関するアンケートを配布
5月22日 zoomメンバー会議(具体的な企画案として動画の作成・大まかな内容を決定)
5月25日 アンケート締め切り、結果を分析し就職課とのミーティング(内容の修正)
5月26日 zoomメンバー会議(就職課で話した内容を元に企画内容の修正、就職課配布のHandbookを動画で解説する事に)
6月16日 zoomメンバー会議(動画内容と具体的な今後の活動について)
6月19日 zoomメンバー会議(企画内容の決定)
7月5日 zoomメンバー会議(全体のスケジュールを決定)
7月29日 撮影用iPad購入
8月2日 大学にて対面でのミーティング(流れ・内容の共有、スケジュールの組み直し、撮影に向けて役割分担)
8月14日 動画の構成の締め切り(内容を確認・修正を行い台本担当へ)
8月23日 動画用台本締め切り(内容を確認・修正)
8月24日 就職課の方に台本の確認をしてもらう【対面】
8月30日 台本の内容の修正終了(出演者へ)
9月7日 zoomを用いて動画撮影(1本目、4本目)
9月8日 zoomを用いて動画撮影(4本目残り、2本目、3本目)
9月21日 座談会について就職課とミーティング【対面】
9月26日 動画編集終了(就職課に動画のリンクを送付、座談会の中止を決定→代替案として座談会参加希望者には就職課の活動をメールで紹介)
9月30日 就職課の方と中国人留学生会にご協力いただき、動画を配信
Part1動画撮影風景
Part1動画撮影風景
Part2撮影風景
Part2撮影風景

実施内容・成果

 私たち留学生就活支援プロジェクトチームは、日本で就職を考えている留学生をオンラインで支援することを目的に本チャレンジ企画を立案しました。本企画の目的は、就職課が発信している情報を再度共有することで、本学の留学生の就職活動に関する不安を解消する手助けを行うことです。
2019年から流行している新型コロナウイルス感染症の影響により、インバウンド需要は減少、就職活動の方法は多様化し、今まであまり一般的でなかったオンラインでの面接や説明会などが増加しました。また、度重なる緊急事態宣言により大学の講義がオンラインで行われる事になり、周囲と密にコミュニケーションをとり情報交換をするといったことが難しくなってしまいました。本学はセミナーなど多様な支援を行うことで学生の就職率向上に力を入れており、留学生の就職率も45%と優れた実績を誇っています。しかし、希薄化する周囲との関係、慣れないオンラインでの授業や就職活動、また留学生の主な就職先であったインバウンドビジネスの需要が減少してしまったことなどの要因から日本で就職活動をすることは新型コロナウイルス感染拡大以前よりも厳しいものになってしまったと言えるでしょう。そのような背景から、学生の立場から就職課の活動を支援し、昨今の情勢の変化を反映しつつ留学生が手軽に就職活動の情報を得ることができるような企画を行いました。
本企画を実行するにあたり、留学生の実態を把握するために、本学の留学生に向けたアンケート調査を行いました。155名の方からいただいた回答をもとに留学生が抱える就職活動に関する課題の分析を行なった結果、回答をいただいた155名の留学生のうち69.8%の留学生が日本での就職を考えており、その7割が就職に関する悩みを抱えていることがわかりました。

Part3撮影風景
Part3撮影風景
Part4撮影風景
Part4撮影風景

【アンケート結果からわかった留学生が抱える主な悩み】
・就職活動の流れがわからない
・新型コロナウイルス感染症の影響で就職の先行きが不透明
・日本語能力に対する不安
この結果を基に留学生が抱えている不安を解消するためにはどうしたらいいのか、本学の就職課を交えた話し合いを複数回行いました。その結果、より正確な情報を留学生に対して、視覚的・聴覚的にわかりやすく伝えるために、就職課が配布している「留学生のための就職活動HANDBOOK」という冊子を対話形式で解説した4本の動画を作成しYouTubeにて限定公開を行うことに決定しました。各メンバーで構成・台本を考え、より伝わりやすいものになるように就職課と面談を重ねブラッシュアップを行っていきました。コロナ禍だけでなく、長く視聴してもらえるような内容になるよう心がけました。初めは動画は全て対面で撮影したものを公開する予定でしたが、緊急事態宣言の発令により、急遽台本を変更し全てオンラインでの撮影に切り替えました。対面での活動は最小限に抑え、昨今の情勢をしっかりと反映することができたと感じています。
動画は先輩が後輩の留学生と日本人学生の就職活動の疑問に対して答えていくという形式で、1本目から4本目まで内容が徐々に詳細なものになるように作成し、全てを見ることで日本での就職活動の流れや気をつけることなどが詳しくわかるような構成にしました。また、いつでも見直すことができるように各セクションごとの秒数を動画の概要欄に示し、わからないところをいつでも確認できるように工夫しました。動画の拡散には、就職課と中国人留学生会に協力をいただき、合計で88回再生されました。

Part1「日本での就職活動の理解」動画内容
Part1「日本での就職活動の理解」動画内容
Part2「就職活動の前に行う準備」動画内容
Part2「就職活動の前に行う準備」動画内容

【動画について】
 動画は全て10~15分ほどで見終わるように編集を行いました。
1本目の動画は「日本での就職活動の理解」と題し ①日本での就職活動の流れ ②海外と日本の採用方針の違い ③日本企業の留学生の採用基準 ④留学生が日本での就職活動で苦労したこと ⑤就職活動をうまく進めるためにについて、スケジュールを記した画像とともに業界別に日本での就職活動の大まかな概要についての説明を行いました。
2本目の動画は「就職活動を行う前の準備」として
①就職活動スケジュールの立て方 ②自己分析について ③業界・企業研究について ④日本企業の雇用形態について具体的にどのような事前準備を行う必要があるのかをパワーポイントを用いて説明しました。
3本目は「就職活動の準備と対策」として ①就職活動に必要な準備 ②OB・OG訪問について③プレエントリーの方法 ④説明会・セミナーについて ⑤エントリーシートの書き方 ⑥筆記試験対策 ⑦面接対策 ⑧内定までの流れ ⑨卒業後も就職活動を継続するにはについて、2本目の動画をさらに詳しく掘り下げ、具体的な対策についての解説を行いました。
最後の動画は「就職活動に必要なビジネスマナー」として ①電話のマナー ②メールのマナー③身だしなみのマナー ④会話のマナー ⑤企業訪問をする際の準備について日本人学生が実際に実演するという形で解説を行いました。概要欄には間違えやすい表現などをまとめて記載し、復習などに役立てることができるようにしました。
本企画は3年生をメインとして活動を行ったのですが、オンライン上でのコミュニケーションの難しさ、動画作成のノウハウ、そして私たち自身も就職活動について学ぶことができました。本企画で作成した動画は新型コロナウイルス感染拡大下だけでなく、パンデミックが収束した後も役立てていけるものになると私たちは考えています。

Part3「就職活動の準備と対策」動画内容
Part3「就職活動の準備と対策」動画内容
Part4「就職活動で必要なビジネスマナー」動画内容
Part4「就職活動で必要なビジネスマナー」動画内容

活動を終えて

 本企画の反省点は大きく3つ挙げられます。それは、「オンラインでのチームビルディング」「スケジュール管理」「作成した動画の拡散方法」です。
まず、1番の課題は「オンラインでのチームビルディング」についてです。私たちはゼミナール所属メンバーを主体として活動を始めました。しかし、度重なる緊急事態宣言などにより、ほとんど初対面のメンバーが集まっての活動となりました。ミーティングなどもほとんどオンラインで行われたため、チームビルディングや互いのことを知る時間をほとんど作ることができませんでした。主体性のある数人だけが発言をし、他の人はそれに対して無反応といったような状況も多く見受けられました。役割分担においても、作業量に大きく偏りがあったと感じています。そのような状況を打破するため、1度だけ対面でのミーティングを行いました。それにより、今まであまり積極的に参加してこなかったメンバーにも変化が生まれ、少しずつ積極的に活動に参加してくれるようになりました。オンラインのミーティングでは場の雰囲気も掴みづらい上、ブレイクアウトルームを使う以外は各個人間がその場で話し合って結論やアイディアを出すといったことが難しく、全体として個人ワークがメインになってします。そのような中で、オンラインだからこそ各個人が積極的に参加をし、チームを作る努力をしなければいけないと痛感しました。そのためには、個人で話す時間を設けるなど、工夫できた点はたくさんあったと感じています。
次に、「スケジュール管理」についてです。先述したように、私たちの活動において1番の課題はチームビルディングでした。この事により、コミュニケーションがうまくいかず、各自の能力や使える時間などのすり合わせに時間がかかったため、役割分担やミーティングの日付、撮影日程についてスムーズに取り決めを行うことができませんでした。その結果、予定よりも大幅にスケジュールが押してしまい、結果として規模を縮小しての活動を行わざるを得ませんでした。また、スケジュールをしっかりと確定できていなかったことから事前準備に欠ける点も多く見受けられました。就職課のミーティング日程や内容の変更などもショートノーティスとなってしまい、大変ご迷惑をおかけしてしまいました。企画の立案時に、事前準備としてさまざまな状況を想定したプランを組みスケジュールについて、いくつか候補日を制定しておくべきだったと反省しています。また、メンバー間で密にコミュニケーションをとり、情報共有を行うべきだったと感じています。
最後に「作成した動画の拡散方法」についてです。動画の拡散には当初予定していたSNSは用いず、就職課と鄭先生にご紹介いただいた中国人留学生会会長に依頼しました。拡散に関して、大きく反省点としてあげられることは、事前アンケートで集めた留学生のメールアドレスをしっかりと活用できなかった事です。依頼をしたことに満足してしまい、自ら能動的にメールアドレスを教えてくれた留学生に対し声がけすることを怠ったことが、動画の閲覧数を伸ばすことができなかった大きな原因になっていると考えられます。また、動画の配信方法についても、座談会取りやめを早めに決定し、1本目を配信してからアンケートを取りフィードバックを元に内容や配信方法を変更することもできたと反省しています。
本企画を通して、企画を実行する上で必要なのは、企画力だけではなく、チームワーク・事前に多くのことを想定してスケジュールを組むこと・臨機応変に素早い決断と行動をすることであると学ぶことができました。そして、人任せにするのではなくそれぞれが主体性を持つこと、そのための工夫をすることが特にオンラインでの活動においては重要であると感じました。また、企画に携わった私たち自身も就職活動についての理解を深めることができ、ズーム会議の設営、動画撮影・編集のノウハウなど多くのことを学ぶことができました。現在リモートワークは多くの会社で取り入れられており、新しい働き方として定着していっています。そのような中で、今回のような完全オンラインでの活動をした経験は大いに役立てていけると感じています。本企画にご協力くださった就職課の皆様、学生チャレンジ企画運営委員の皆様、このような貴重な学びの機会をくださり、誠にありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。

会計報告

  • 活動資金 150,000円
  • 支出総額 136,780円
内 訳残金 13,220円
項 目 小 計
用品費 iPad Pro 130,800円
用品費 動画編集用ソフト(字幕レコーダーの購入を取りやめ、こちらに変更) 5,980円
合 計 136,780円
その他活動資金以外にかかった経費【自己負担分】
項 目 小 計
雑費 印刷代(就職課に提示する資料として) 1,000円
雑費 ステープラ 500円
合 計 1,500円

報告書、レポート一覧

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