学生チャレンジ企画は、創立110周年を記念して2010(平成22)年にスタートしました。
昨年度(第11回)は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりましたが、今年で12回目を迎えました。
この取り組みは、社会や地域への貢献、国際交流、大学の活性化などにつながる活動を積極的に行っている学生をサポートするものです。
採択された企画には「活動資金」が支給されるほか、実施した成果が特に優れた企画にはさらに「奨励金」も授与されます。
拓殖大学は拓殖人材育成のためのボランティア推進、国際交流、スポーツ振興などさまざまなプロジェクト活動に成果を出しています。
これらは持続可能な開発目標(SDGs)と方向性が合致することから、SDGsを活用して、重要な社会的役割を担う人材育成を目指しています。
第12回 学生チャレンジ企画振り返って学生チャレンジ企画実行委員長( 拓殖大学副学長/商学部 教授)潜道 文子
昨年度の第11回大会は、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、残念ながら実施をあきらめざるを得ませんでした。今年度も昨年度と同様に、パンデミックの終息をみない環境下ではありましたが、感染防止策を十分に行うという条件下のもと、学生たちのチャレンジ企画が実施され、成果報告発表会も開催されました。
拓殖大学は、今年度からスタートした『教育ルネサンス2030』の基本戦略1に持続可能な開発目標(SDGs)を掲げ、SDGsを活用して、重要な社会的役割を担う人材育成を目指しています。そこで、この学生チャレンジ企画においても、今年度の活動はSDGsの17のゴールに向かって行うこととしました。
今年度は、26件の応募がありました。第10回を記念してグループ部門と個人部門を設置した2019年度の40件(前者が38件、後者が2件)には及びませんでしたが、2017年度以前の応募数を上回り、学生の活動意欲の高さを示す結果といえると思います。
本報告書では、今年度採択された6企画の実施スケジュール、実施内容と成果、活動を終えての感想や反省点、会計報告を掲載しております。活動や成果については、どのチームも素晴らしいものだと感じました。特に、コロナ禍において思うように活動ができない中、学生たちのチャレンジとその結果としての成長は、高く評価できるものです。
その中で、チャレンジ大賞を受賞した「地域の食品ロスを減らそう!」は、SNSを活用して自分たちの活動を積極的に発信し、結果として、多くの人たちを活動に巻き込み、協力を得ることにつなげています。関係者と共有する、強くシンプルな想いの大切さを感じました。チャレンジ賞は「八王子城跡の魅力を高めるデザインプロジェクト」が受賞しましたが、デザインという、自分たちの日頃の学びを活かしつつ、かつ独自性のある活動でした。特に、メンバーの学生たちの楽しそうな様子が印象的でした。奨励賞を受賞した「地域の絆で災害を乗り越える」は、2019年に活動をスタートした地域の団地に住む方々からの「災害時が不安」という声を受けて始められた活動であり、人々の実際の生活における社会的課題の解決に寄与する貴重な活動でした。
その一方で、反省点もいくつか出されました。特に、活動資金の使い方については、明確なルールの設定とその理解の推進を図る必要があります。来年度は、説明会などを活用して資金の使用方法等を説明すると共に、応募書類における工夫もしたいと考えています。
最後に、皆様のご協力のもと、今年度も学生チャレンジ企画を成功裏に終了することができました。これも学生たちの企画を積極的に受け入れて下さった行政機関、企業、各種団体の皆様のお蔭と深く感謝しております。また、親身に学生たちをご指導頂いた教職員の皆様にも、この場を借りまして厚くお礼申し上げます。