優秀企画6グループの企画書を公開!
各団体と個人の企画&評価ポイントをチェック!

一覧へ戻る

地域の絆で災害を乗り越える

チーム館プロ 代表:岡部 優里奈(国際学部 国際学科 3年)

企画の概要

 拓殖大学八王子国際キャンパスの近隣に立地する館ヶ丘団地は、多摩地域の都市再生機構の団地の中でも高齢化率(84%)と独居率(57%)がもっとも高く、住民によるセーフティーネット強化の必要性が高まっている。高度経済成長期に核家族化が進む昭和40年代に建てられた団地は、世帯ごとのプライベートが保たれる一方で、今日においては一人暮らしの高齢者に孤立をもたらす状況にもなっている。高齢者の孤立はとくに災害時に深刻な状況をもたらすことが危惧される。
私たちは2019年から、館ヶ丘団地を対象として、住民の目線に立った団地の暮らし向上を目的として活動を行っている。昨年はその一環として2400全世帯を対象とした社会調査を実施し、住民はコミュニケーションをとっているほど暮らし満足度が高いことや、住民の防災意識が高いことが明らかになった。
2021年度に関しては、自治会との議論を重ねた結果、住民同士のコミュニケーションの活発化と災害対策の2つの面からアプローチすることを計画している。安全面の確保は物理的な安心だけでなく心理的な安心を住民に与えるものであると言え、団地においては優先度の高い問題であると思われる。
コロナ感染症対策としては、住民同士の会話など直接的なコミュニケーションではなく、間接的なコミュニケーションをとる企画を積極的に考案していく。団地住民とゼミ生のコミュニケーションの必要性が生じた際には、団地に赴く人数を制限しながらZoomなどのオンラインツールを用いたミーティングを行う。団地住民のニーズを積極的に取り入れ、あくまでも私たちが主体ではなく住民が主体となり自発的に活動を行うためのサポートを行っていくことで心身ともに住みやすい団地を目指す。

ページ上部へ戻る

どのようなチャレンジをするか

 本企画では団地住民の防災対策強化と住民のコミュニケーション活発化の支援を行う。防災対策強化のアプローチとしては、まずはアンケートで災害時における避難可能レベルおよび移動手段などを把握する。避難可能レベルは、例えば自力で避難することができる、歩行困難でも時間をかければ自力で避難することができる、歩行困難なため自力では避難が難しいなど程度の違いにも着目する。そしてアンケートで集計した結果を踏まえ、防災地図とステッカーを作成する。防災地図は個人の避難可能レベル、空き家状況と避難場所を記載するものとし、住民に配布する。ステッカーは避難可能レベルや介助レベルを示し、郵便受けに貼ってもらうことで、住民同士でどこにどんな人が住んでいるか住民同士で把握し合うことができる。これにより、緊急時において助け合いの意識が高まる。
コミュニケーションの活発化は防災対策として重要な側面である。そのためのアプローチとして、交換ノートの利用を推進する。例えば団地の交流スペースにノートを置き、誰でも自由に書き込めるようにして住民の同士のコミュニケーションを図るところからはじめる。ノートを手段にすることで、コロナ渦での安全性を確保する。このほか現場で活動する学生の腕章、藍澤ゼミ独自の会報を作成する。これらは住民から団地での暮らしにおいて本音を引き出して、団地の問題点を明瞭化することを狙いとしている。藍澤ゼミの存在を認知してもらうことで、住民とゼミ生のコミュニケーションを潤滑にする。防災の企画を進めていく上で、住民とのコミュニケーションをとる機会を増やし、情報や話題提供につなげていく計画である。

ページ上部へ戻る

期待される成果・結果

  期待される成果及び結果は大きく分けて2つある。第一に防災において安心安全な団地づくりに繋がると想定される。以前実施した社会調査においても、防災対策があまりなされていないことに対して不安を抱いている住民が一定数いることがわかった。こうした状況下で、災害対策になる活動を実施すれば、暮らしに安心感が生まれるのではないか。また防災意識があまり高くない住民の意識改善にも繋がるだろう。第二に近隣住民や自治会とコミュニケーションをとるきっかけになると考えられる。災害時、まずは自分自身の安全を守ることも大切であるが、人との繋がりが命を救うこともある。単身世帯の多いこの団地において周りとの繋がりを持つことは非常に重要なのではないか。このように団地が抱える問題を少しずつ解決していくことで、目的である団地の暮らし向上に繋げていきたい。

ページ上部へ戻る

実施期間

2021年5月9日~2021年9月中旬

6月下旬 パイロット向けに行ったアンケート調査の分析を行い修正する・大学
7月上旬 作成したアンケートを自治会と共有した後、全世帯へ配布・団地
7月3日 館ヶ丘団地に交換ノートを設置する・団地の縁側
7月上旬 アンケートを配布し回収するまでの間に腕章をデザインし発注・大学
7月中旬 アンケートを回収・団地
7月中旬 アンケート集計を始める・大学とZoom
7月中旬 アンケート集計をしつつ自治会とステッカーについて議論・Zoom
7月下旬 住民からステッカーのデザインの募集・団地
8月上旬 集計報告書の取りまとめをし、自治会に共有・団地
8月上旬 住民台帳の作成・団地
8月下旬 自治会と防災地図の協働作成開始・団地、大学、Zoomなど
8月下旬 ステッカーデザインの募集締め切り及び投票・団地
9月中旬 ステッカー発注
※この間に必要に応じて、ゼミ内だけのミーティング、自治会との合同ミーティングなど複数回ミーティングを実施していく

ページ上部へ戻る

メンバー一覧

氏名 学科 学年
岡部 優里奈 国際学科 3年
畠中 優汰 国際学科 2年
宗形 颯人 国際学科 3年
渡邉 夢豊 国際学科 2年
祝 真優 国際学科 3年
松村 杏美 国際学科 2年
佐藤 優香 国際学科 4年
高橋 亜沙美 国際学科 4年
氏名 学科 学年
大野 玲奈 国際学科 3年
佐藤 冴子 国際学科 3年
ALSV Perera 国際学科 3年
SADPM Suraweera 国際学科 3年
タリヤル・アユシュ 国際学科 3年
髙橋 舞弥 国際学科 2年
廣瀬 杏奈 国際学科 2年
平野 美碧 国際学科 2年

TOPへ戻る