富士川町の魅力発見プロジェクト
~特産品開発と情報発信拠点開拓の観点から~

  • 団体名 C3F(サークルスリーエフ)
  • 代表者 工学部 デザイン学科 4年鈴木 哲平

活動記録

2022年6月10日~10月16日
6月10日 マーケティング面やデザイン面を中心に商品開発を検討する
7月5・6日 道の駅富士川でのアンケート分析
現地の方と今後の展開確認
7月13日 1.パッケージの見直し(売り出し方に合わせたデザイン)
2.生産コストの見直し
3.商品自体の見直し(商品の売り出し方など)
7月17日 nocturne-candle(キャンドル教室)にアロマキャンドルの制作体験・見学に行く
キャンドルの製作方法を学ぶ
8月15日 精良軒さんとパッケージと商品の検討、決定
8月24日 ゆずケーキパッケージ、商品名、価格設定、生産計画を決定
9月9日 キャンドルデザイナーの井上和弥氏にゆずキャンドル制作について相談(10月2日にも同様の活動)
9月25日 ゆずケーキ発注、春鶯囀チ-ム首掛けポップの製作
10月7・8日 富士川町シンポジウムに参加し試作品紹介および現地の方との意見交換
10月20日 反省会:活動内容をまとめ、ゆずケーキ、ゆずキャンドルの更なる改良を図る
10月13日 ゆずケーキの受け取り
10月14~16日 紅綾祭にてゆずケーキ販売

企画概要

山梨県富士川町における、「余剰しているゆずを使用した商品開発」および「名産品の販売や情報発信拠点の整備」を目的に商学部、国際学部、工学部の学生が一つとなって各学部の専門性を活かし、若者が興味を持つ首掛けポップやラベルデザイン制作、ゆずキャンドル、ゆずケーキの発売案を展開。いずれも完成及び商品としての販売には至っていないが、各学部ゼミナール・研究室に引き継いで活動を続ける。

精良軒さんとゆずケーキについて打ち合わせ
精良軒さんとゆずケーキについて打ち合わせ
富士川町の方が制作に協力
富士川町の方が制作に協力

活動の目的と目標

 「富士川町魅力発見プロジェクト」を通して富士川町の地域活性化のきっかけづくりを行います。チームを3つに分け、ゆずキャンドルチームは富士川町の特産品であるゆずを使用したキャンドル製作、ゆずケーキチームはパン屋精良軒と協力したゆずケーキの製作と販売。春鶯囀チ-ムでは萬屋醸造店が手掛ける日本酒「春鶯囀」という銘柄の新商品を若者が日本酒に親しむきっかけづくりのために首掛けポップを制作します。
1.ゆずキャンドルチーム
【目的】富士川町名産の「ゆず」に着目。廃棄されてしまうゆずを利用し、富士川町の魅力を発信するきっかけを作る。ゆずの特徴を生かした商品を開発します。
【目標】廃棄されたゆずを使用したアロマキャンドルを製作します。そして、アロマキャンドルを利用した富士川町のPR活動を行い、観光客の増加に繋げます。

富士川町の方との打ち合わせ
富士川町の方との打ち合わせ
紅陵祭では無事に完売
紅陵祭では無事に完売

2.春鶯囀チ-ム
【目的】若者に日本酒への興味を持ってもらうことが目的です。近年若者の日本酒離れが拡大しており、春鶯囀の新商品の首掛けポップに着目しパッケージデザインという点から日本酒に興味を持ってもらいます。
【目標】春鶯囀の新商品のラベルデザインは既に決定しているため、私たちの活動の目標は若者が注目するデザインの首掛けポップを制作することです。
3.ゆずケーキチーム
【目的】富士川町の名産である「ゆず」を利用したゆずケーキの販売を促進し、富士川町の魅力を発信するきっかけを作る。
【目標】道の駅45個、精良軒45個、春囀天25個、紅陵祭15個の計130個を10月に販売。

出来上がったゆずケーキ
出来上がったゆずケーキ
試作したゆずキャンドル
試作したゆずキャンドル

活動実績の報告

1.活動の進捗
【ゆずキャンドルチーム】
始めに八王子市にあるキャンドル教室にて、キャンドル作りの基礎を学びました。キャンドルを自分たちで作り、その過程でヒントになりそうな材料や注意点を講師の方に教わりました。
その後、山梨県富士川町に2度訪問し、富士川町在住のステージ装飾・イベント制作をしている井上和弥氏のもとを訪れ、ゆずキャンドルを製作。ゆずのエッセンシャルオイルを用いて、円柱型のキャンドルを作りました。パッケージやキャンドルはまだ試作品の段階で、学生チャレンジ企画の期間内では商品として完成させることはできませんでした。この完成への取り組みは国際学部徳永ゼミナールへ引き継ぐ予定です。
【春鶯囀チ-ム】
始めに日本酒に対する若者の現状、春鶯囀の商品の試飲した感想を20代前半の男女を中心としてアンケート調査(30名)を行いました。全体の約7割が週に1回以下の頻度でしか日本酒を飲まないという結果が分かり、新商品を試飲した約7割が高評価を示し、味の特徴も捉えてもらうことができました。次に若者に人気のお酒の市場調査を行い、人気になる要素には味などの内部的要因、パッケージデザインの外部的要因があることを把握しました。さらに若者に注目されているパッケージデザインのお酒をピックアップしその共通点を探しました。その結果から、カラフルな色使いや若者のイラストを使用し、シンプルなデザインに仕上げました。
【ゆずケーキチーム】
紅陵祭前日までに精良軒さんと密に情報交換を行い、具体的には「当日は何個売るのか」また「1個当たりの単価はどうするのか」などを話し合いました。
2.工夫した点
 ゆずキャンドルチームは、キャンドルの製作にあたり、ロウの温度によってキャンドルの模様が変化し、温度調節が難しいため、ホットプレートを使いました。さらにキャンドルを固める際の温度が急激に低くなるとひびが入るため、室温で数時間固めてから冷蔵庫に入れ、冷やして固めました。

春鶯囀首掛けポップの完成写真
春鶯囀首掛けポップの完成写真

3.活動中に生じた課題
 ゆずキャンドルチームでは、①ロウがすぐ固まってしまうため、スピードが大切である②キャンドル点火時の香りが弱い③富士川町産のゆずの仕入れ先の確保がまだ出来ていないなどの課題がありました。
 ゆずケーキチームでは、精良軒さん側から現地工場の生産ペースを理由に「今シーズンは150個ほどしか作れない」と連絡を頂き、当初の販売目標である300個には及びませんでした。さらに「次に生産できるのは来年の春当たり」とのことで、こちらも当初夏ごろに予定していた道の駅での販売を延期せざるを得ませんでした。よって、紅陵祭期間中は1日当たり50個しか売ることが出来なくなりました。
 春鶯囀チ-ムは、首掛けポップデザイン制作において若者に注目される要因であるカラフルな色使いや若者のイラスト挿入、シンプルなデザインの3点を違和感なく取り入れパッケージデザインを行うことが課題でした。
4.課題に対して講じた対策
 ゆずキャンドルチームでは、上記課題に対してそれぞれ次の対策を講じました。①製作する際は、複数人で声を掛け合いながら、分担して取り組む。②エッセンシャルオイルを固めたキャンドルをキャンドルの真ん中に入れる(香りを出すためには、模様が上手く出ない→模様を見せるためには、香りが消える→二重構造にし、外側は模様メイン、内側は香りメインにする)。また、③仕入れ先を改めて探す。
 ゆずケーキチームでは、紅陵祭において「1日50個限定」という“希少性”をアピールしました。結果、各日ともに販売開始から3時間ほどで完売することが出来ました。
 春鶯囀チ-ムではアイデアスケッチを作成した段階でデザインを立案し、チーム内をはじめ多くの方とデザインに対しての意見交換を行いました。細かい部分を修正し、それを重ねることで課題解決に取り組みました。

富士川町シンポジウムでの集合写真
富士川町シンポジウムでの集合写真

活動成果

1.ゆずキャンドルチーム
多角的視点から既存商品の分析を行い、既存のアイデアを重ね合わせ、斬新な発想を生み出す力が身につきました。最終的に試作品を数点完成させることができましたが、依然として課題は多い。再度身につけた力をもとに協力して進んでいきたいです。
【目標の達成度】
ゆずのエッセンシャルオイルを使用した試作品の段階では、キャンドル点火時の香りが弱く商品化には至りませんでした。
【活動を実施しての意義】
活動を実施して地域社会の促進につなげて、また富士川町のゆずを知るきっかけを作りました。
【身についた力】
ゆずキャンドルに関しての知識・技術的側面はもちろん、キャンドルチーム一人ひとりの主体性の向上を感じました。最初は奥手だったメンバーも現地訪問や試作会を重ねるにつれて発言する回数が増え、積極的な行動が初期に比べて増えました。
2.春鶯囀チ-ム
 アンケート調査や市場調査などを行い、課題解決への手順を探りながら、目標達成に対してアプローチをしました。最終的に若者が注目する首掛けポップを完成させることができたと感じています。
【気づき】
3学部合同で活動を行う中、複数の目標がある場合、各チームが達成に向けてアプローチをするのではなく、共に意見交換を行うことで新しい視点が生まれ、課題解決に繋げやすいということを実感しました。
【活動を実施しての意義】
目的達成の過程にある、富士川町現地の方との意見交換や交流を重視した春鶯囀ブランドの確立です。
【身についた力】
現状調査やアンケート調査、市場調査を行い分析することで、物事を自分の視点だけでなく客観的に物事を見る力を身につけることができました。
3.ゆずケーキチーム
ケーキの開発が無事終わり、年内に販売することできました。生産者の方と意見交換を重ねて実際に購買会や紅陵祭での販売を通じ、学生・教職員の方々から好評の声を多数いただきました。この活動で物事の流れを把握し、実際に行動に起こす力を身につけることができました。

精良軒(せいりょうけん)
大正7年創業の老舗パン、和菓子専門店。手作りのやさしい味が自慢で、富士川町産のフルーツなどを使ったパンと和菓子がショーケースに並ぶ。
所在地/〒400-0501 山梨県南巨摩郡富士川町青柳町81
アクセス/(車で)中部横断道増穂ICから5分
(電車で)鰍沢口駅から約2.5km
営業時間/8:00~19:00 定休日/日曜日・祝日
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春鶯囀(しゅんのうてん)
萬屋醸造店が造る日本酒。萬屋醸造店は甲斐の銘醸として230余年(寛政2年創業)の歴史を刻む酒蔵で人の幸せにそっと寄り添うお酒を造ることを理想にしており、主張し過ぎることはない、呑み飽きないお酒として、食を彩る。
※お酒は20歳になってから
所在地/〒400-0501 山梨県南巨摩郡富士川町青柳町1202-1
アクセス/(車で)中部横断自動車道増穂下車6分
(電車で)市川大門駅から約3.0km
営業時間/10:00~12:00 13:00~16:00
定休日/火曜日・年末年始休業
ホームページはこちら

会計報告

  • 活動資金 154,000円
  • 支出総額 127,204円
内 訳
項 目 小 計
消耗品費 ① 富士川町交通費 25,777円
② 上記ガソリン代 2,097円
③ キャンドル講座代(資料含む) 33,000円
④ ゆずキャンドル材料費 45,330円
⑤ ゆずケーキ購入費 21,000円
合 計 127,204円
活動から得た収入
項 目 小 計
紅陵祭ゆずケーキ売上
今後の商品開発に役立てて頂く為、全額精良軒様に寄付
34,700円
合 計 34,700円
  • 活動資金 154,000円
  • 支出総額 127,204円
内 訳
項 目 ① 富士川町交通費 小 計 25,777円
項 目 ② 上記ガソリン代 小 計 2,097円
項 目 ③ キャンドル講座代(資料含む) 小 計 33,000円
項 目 ④ ゆずキャンドル材料費 小 計 45,330円
項 目 ⑤ ゆずケーキ購入費 小 計 21,000円
合 計 127,204円
活動から得た収入
項 目 紅陵祭ゆずケーキ売上
今後の商品開発に役立てて頂く為、全額精良軒様に寄付
小 計 34,700円
合 計 34,700円

企画書、レポート

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