生分解できるカゼインプラスチックを広めよう
採用団体MTP(Milk To Plastic)
企画名称生分解性プラスチックの認知拡大と新たな可能性の提案
対象活動カゼインプラスチックの実際の作成
参加人数4名
採用団体MTP(Milk To Plastic)
企画名称生分解性プラスチックの認知拡大と新たな可能性の提案
対象活動カゼインプラスチックの実際の作成
参加人数4名
当日の実施内容
都内のレンタルキッチンを借り、実際にカゼインプラスチックを作成する作業を行いました。形や色、作成方法をどのようにするか学生同士で話し合いながら試作品づくり。紅陵祭で販売するアクセサリー作りに向けて試行錯誤しています。
この日の活動
この日は実際にメンバーでカゼインプラスチック作成を行いました。それまで個人で試作などをしていましたが、全員で作るのは2回目です。牛乳を耐熱皿に入れ、80℃まで電子レンジで温めます。そこにレモン汁を入れ混ぜると、白い塊と半透明の液体(ホエイ)に分離します。この白いものが、牛乳のたんぱく質の凝固したカゼインです。カゼインからはかすかにチーズの発酵臭が。コーヒードリッパーで濾し、軽く絞って取り出します。ただ、絞りすぎるとボソボソして固まりづらく、水分が多いとなかなか乾燥しないというデメリットがあり、水分量の調整が難しくメンバーで「これくらいかな」と話し合いながら試していました。
食紅で色を付け、ハートや四角のシリコン型にカゼインを詰めていきます。中に気泡が入ると割れてしまう原因になるので、スプーンなどで押してなるべく固く詰めます。自然乾燥し、完全に固まるまでは一週間ほど。固まる前に紐などを通す穴を開けます。出来上がったプラスチックは非常に軽く、通常のプラスチックと見比べても遜色のないものでした。手触りはザラザラしているため、サンドペーパーなどで磨く予定です。
メンバーは、カゼインプラスチックを扱う企業へ取材も行っていました。ネットで情報を検索している際に知った企業に連絡し取材を依頼。8月上旬に企業を訪れ、直接話を伺いました。埼玉県にあるアクリル板加工会社「桜沢工芸社」では、カゼインプラスチックを加工、製造しています。カゼインプラスチックは軽く丈夫でサイコロやボタン、ピアノの鍵盤、メガネのフレームなどに利用されています。
学生たちは加工前の樹脂や型など実物を見せていただきました。カゼインプラスチックは採算が取れず普及していないこと、加工が難しいことなど現状も知りました。ただ、MTPの活動にも関心を持ってくださり協力を申し出てくれました。カゼインプラスチックの加工やアクセサリーの型を作ってくださるとのこと。今回作った試作品は、企業に送りどのような加工ができるかを相談する予定です。
商学部 経営学科3年
MTP(Milk To Plastic)
代表 竹縄 みずき
活動を始めたきっかけ
ゼミで、SDGsをテーマにした活動を考える課題が出されたことです。ただ、今回集まったメンバーは、それぞれ関心のある問題が違っていました。そのため全員の方向性を決めることが一番大変でした。なかなか全員でやりたいテーマが決まらず、ぎりぎりまで悩んでいたのですが、メンバーの一人がカゼインプラスチックはどうかと提案してくれました。プラスチックゴミにはメンバー共通で問題意識はあったことと、同時に牛乳の大量廃棄問題に取り組めることからテーマに決めました。今回初めてカゼインプラスチックというものを知ったため、知識も手段も全員で調べながら試行錯誤しています。
これまでの活動を
振り返って
一番印象に残っているのは、やはり企業への取材です。桜沢工芸社様をはじめ、カゼインプラスチックでボタンを作っているアイリスボタン様などが、快く取材を受けてくださいました。「大学生が取材にくるのが珍しい、興味持ってもらえて嬉しい」と仰って想像以上に関心をもって話を聞いてくれ、「いつでも頼って」と情熱が返ってくるのがとても嬉しかったです。企業の皆様もカゼインプラスチックを広めていきたいという思いを感じられました。このテーマに決めてよかったと思った体験でした。
今日の活動を
振り返って
6月頃に個人で試作してみたのが最初の作成だったのですが、そのときはひどい出来でした。うまく乾かず、液モレしたりなどこれが本当に商品にできるか不安がありました。でも今日改めてメンバー全員で作成することで、新しい発見ややり方が見つかりました。みんなで意見を交換してより良いものに出来ると思っています。
今後の活動予定や抱負
企業様へお願いする型のデザインを作成するのが第一です。紅陵祭で販売するので、カバンのチャームやアクセサリーになるデザインを考えていますが、デザインを通して伝えたいことも考えていこうと思います。売上は牛乳の大量廃棄の観点からJAに寄付する予定です。
ただ、この企画の強みは、廃棄される牛乳の再利用だけでなく、それがゴミにならず生分解できるという点です。アクセサリーを売るだけでは生分解できることは伝わりづらいので、生分解を体験できる工夫も考えていきたいと思っています。例えば企業様から教えてもらった、種が入った紙でできていて埋めると芽が出るという名刺をヒントに、いらなくなったら植えることができるアクセサリーなども考えています。
また作り方の動画を作ることも考えています。カゼインプラスチックの作成は子どももできる工程です。学祭で終わりにせず活動や認知を広げていくには、子どもたちから興味を持ってもらい、広げていってほしいと考えています。そのためのアプローチ方法も模索中です。