講評
2023年度 第14回 学生チャレンジ企画を振り返って学生チャレンジ企画副実行委員長(学生支援センター長 政経学部教授)寺家村 博
2023年度第14回学生チャレンジ企画を無事に終了することができました。まず何といっても企画に参加してくださった学生の皆さん、企画をお支えいただいたすべての皆様に深い感謝と御礼を申し上げます。
COVID-19との共存を余儀なくされている状況のなか、今年度の学生チャレンジ企画には20件の応募がありました。第1次選考、第2次選考を経て、5つの企画が採択・実行されました。昨年12月には成果報告発表会が開催され、チャレンジ大賞を含め3賞が決定しました。採択されたグループの企画書を読み、プレゼンテーションを聴いていると、彼らがなぜこのテーマを取り上げたのか、何を伝えたいのか、達成したい目標やゴールをどこに置いているのか、最初から終わりまで一本の直線で導かれ途中で切れることがない「物語」を感じることができました。さらにどのグループにも共通していたのが「社会的な」(ソーシャル)という形容詞で表現できる企画であった点です。ご存知の通り英語のsocialは「社会の、社会的な」という意味の形容詞であり、現代では経済の領域で用いられると同時に「人のつながりや連携」を表現する場合にも多く使われています。どのグループの活動にも他者との有益な関係性の構築や、他者を思いやる心持ちが随所に見られ、社会における「利他の精神」が十分に発揮されており、素直に嬉しく思います。
一方で、どのグループにもチャレンジという言葉が意味するものが少し欠けていたようにも感じました。もちろんチャレンジという言葉の捉え方は人それぞれ違います。ただ、もしチャレンジが身体、精神そして心情のバランスの上に成り立つものであるとするならば、少しだけ足りない部分があったように思います。同時にこの企画を通じてチャレンジの意味をどのように学生の皆さんに深く理解していただくかは、私たち審査する側も真剣に考えなくてはならない課題であると痛感しました。