生分解性プラスチックの認知拡大と新たな可能性の提案

  • 団体名 MTP(Milk To Plastic)
  • 代表者 商学部 経営学科 3年 竹縄 みずき

活動記録

2023年7月2日~10月29日
7月2日 Instagram開設
(アカウント名:@mtp_gakuchalle)
7月13日 Zoomにて打ち合わせ(今後の活動日程・取材企業の選定について)
7月18日 打ち合わせ(紅陵祭の展示について)
8月7日 桜沢工芸社 取材訪問
8月8日 クロップオザキ アイリス 取材訪問
8月17日 カゼインプラスチックの制作①
8月18日 カゼインプラスチックの制作②
9月4日 zoomにて打ち合わせ
(展示品のデザイン案について)
10月7日 カゼインプラスチックの制作③
10月12日 アイリス 取材訪問
10月21日 パンフレット 完成
10月25日 紅陵祭用動画 完成
10月27~29日 紅陵祭にて生分解性プラスチック製品 の展示・成果確認アンケート実施

企画概要

私たちは、プラスチックによる環境汚染問題を生分解性プラスチックによって解決できるのではないかと考え、牛乳に含まれる乳タンパク質であるカゼインから作られる生分解性プラスチックの、“カゼインプラスチック”に着目しました。カゼイン製品を取り扱っている企業に取材を行い、実際にカゼインプラスチックの制作に取り組む中で、活動メンバーがカゼインについての理解を深め、認知活動を行い、牛乳の大量廃棄問題とプラスチックによる環境汚染問題へのアンチテーゼを提唱します。

活動の目的と目標

1.活動の背景
 現在、学校給食の牛乳で余った分は調理室の排水口からグリストラップを通して下水道へ廃棄されています。生分解性プラスチックの一種である、カゼインプラスチックはそのまま土に還すことができるため、牛乳の新たな処理方法の提案になるのでは?と考えこの活動を企画しました。
2.活動の目標
  私たちの最終的な目標は、消費者が既存のプラスチックよりも生分解性プラスチックを使用し、また企業が生産素材を生分解性プラスチックにシフトチェンジしてさらに多くの消費者が利用するようになるという持続可能な生産・消費構造を構築することです。具体的な数値目標は、紅陵祭でのブース来場者数が200人、Instagramのフォロワー、投稿リーチ数を150人です。

活動実績の報告

1.企業への取材
  夏季休暇期間に私たち自身がカゼインプラスチックの理解を深めるため、3社の企業にご協力頂き取材を行いました。
(1)有限会社桜沢工芸社さん
埼玉県草加市にあるプラスチック樹脂加工会社です。アクリルのみならず天然素材であるアセチやラクト(カゼイン樹脂)を取り扱っています。

取材の様子(桜沢工芸社)
取材の様子(桜沢工芸社)

(2)株式会社クロップオザキさん
アパレル副資材卸販売とOEM縫製生産を軸に6つの事業を展開するアパレル副資材商社です。

取材の様子(クロップオザキ・アイリス)
取材の様子(クロップオザキ・アイリス)

(3)株式会社アイリスさん
世界トップクラスのシェアを誇るボタン/服飾付属品メーカーです。また、国内で唯一カゼインボタンを製造しています。

取材の様子
取材の様子

(4)取材をとおして意識したこと
私たちが意識したことは消費者にとって普段関わることのないBtoB企業にどれだけ親近感を感じてもらえるかという点です。こちらの3社は基本的に企業間取引、いわゆるBtoBが主軸となっています。そのため、最終消費者である私たちには活動を認知されにくいというのが現状です。そこで私たちが紅陵祭やInstagramをとおして情報を発信することで、企業のホームページやSNSを見るだけでは伝えられない「想い」が届くよう動画制作に取り組み、紅陵祭では来場者一人ひとりに説明するよう意識しました。
2.カゼインプラスチックの制作
私たちは活動期間中、カゼインプラスチックへの理解を深めるために個人、メンバー合わせておよそ6回の試作を行いました。制作当初は型にカゼインを詰めても空洞が多くボロボロのものが多くありました。しかし、回数を重ねていくうちに、形成前に良くこねることでカゼインがまとまり、型に詰めても空洞ができにくくなることがわかりました。制作中に最も難しいと感じたのは乾燥過程です。日本では湿度が高い日が多いためカゼインにカビが発生しやすく、特に梅雨の時期と10月ごろに制作したものは、そのほかの期間に制作したものと同じ場所で乾燥させてもカビが発生してしまいました。乾燥材なども使い、屋根のある所でも雨の日は室内で乾燥させるなど天候と湿度に気を遣っていくべきだと思いました。

自作したカゼインプラスチック
自作したカゼインプラスチック
自作したカゼインプラスチック
自作したカゼインプラスチック

3.紅陵祭での活動
(1)販売から展示へ
当初、紅陵祭では制作したカゼインプラスチックをアクセサリーやキーホルダーにして販売する予定でしたが、廃棄牛乳の確保が難しい点、前述したとおり質の高いカゼインプラスチックを制作することが困難な点から販売を中止し、展示に重点を置くことにしました。
(2)展示物について
今回、私たちが用意したものは主に3つです。
1つ目はカゼインボタンの展示です。夏に取材させていただいたアイリスさんにご協力頂き様々な種類のカゼインボタンと同じ型のポリエステルのボタンを用意しました。ポリエステル製のボタンと比較することでカゼインボタンの良さを明確にすることができました。また、カゼインボタンができるまでの流れがわかるパネルも拝借し、理解が深まるよう工夫しました。
2つ目は動画制作です。生分解性プラスチックについて知ってもらうために7分程度の動画を制作しました。内容は生分解性プラスチック(カゼインプラスチック)とは何なのか、なぜカゼインプラスチックが必要なのか、取材した企業の紹介、課題、私たちにできること、といった構成です。制作にあたってはどれだけ見やすくできるかに重きを置きました。内容を多く入れれば入れるほど文章量も動画の時間も長くなるため、長く見ても疲れないよう動画内の音楽の心地よさやテロップの表示時間、テロップ中のキーワードと動画の映像をリンクさせるよう工夫しました。
3つ目はパンフレットの制作です。展示教室に訪れなくても読めば生分解性プラスチックについてわかっていただけるよう、文章構成や挿図も限られた誌面のなかでわかりやすいものを選びました。

配布したパンフレット
配布したパンフレット
紅陵祭での活動の様子
紅陵祭での活動の様子
紅陵祭での活動の様子
紅陵祭での活動の様子

活動成果

1.目標の達成度と反省
  企画書で掲げた数値目標に対し、SNS運用がうまくいかず現時点での達成度は20%ですが、11月前期にYouTubeにカゼインプラスチック制作過程の動画をアップロードしました。一方で、活動にご協力いただいた企業のSNSアカウントや、ホームページに記事を掲載していただいたので、潜在的な認知数も含めると目標は達成されていると考えます。紅陵祭における来場者数の達成度は、約93%と教室の立地が悪いながらも目標と定めていた値に近づけたのではないかと満足しています。2団体合同で展示を行ったことが展示エリアを充実させ、見ごたえのあるブースになったのではないかと考察します。また、紅陵祭用に準備したパンフレットも大半は配り終えることができました。パンフレットに添付したアンケートの結果は、生分解性プラスチックについて知らなかったと回答した方が8割、従来のプラスチック製品の代替品として、生分解性プラスチック製品を利用したいと回答した方が8割いました。さらに「カゼインプラスチックを知ってもらう場を増やしてほしい」という意見もありました。実際、義務教育期間では中学3年生の理科の教科書に一部載っているだけで、生分解性プラスチックを知る場面は限られているのが現状です。今回の紅陵祭のような性別・年齢を問わない多数の人が訪れるイベントで、地道に認知活動を続けることが必要であると考えます。
2.活動を実施して何に貢献できたか
 私たちは「カゼイン」に拘って活動してきました。主な理由として、コロナ禍での学校給食の減少や、ロシア・ウクライナ戦争による物流コスト高、円安による餌代の高騰によって生乳の供給が需要を大きく上回っている現状でありながら、国は国際関係を重視し、輸入量は減らさず国内乳牛の淘汰(食肉処理)を推奨している背景があったからです。現代の大量生産・消費主義社会では、コストパフォーマンスの基準で価値判断されがちですが、活動をとおして多くの人に「カゼイン」(牛乳)の有効性を提示できたことは、このような物質主義社会に警鐘を鳴らし、エコロジーへの配慮を推進できた点で社会貢献していると考えます。

紅陵祭での活動の様子
紅陵祭での活動の様子
紅陵祭での活動の様子
紅陵祭での活動の様子

会計報告

  • 活動資金(支給額) 38,000円
  • 活動経費(支出額) 34,262円
  • 残金 3,738円
内 訳
項 目 小 計
消耗品費(展示品制作の材料費・展示用掲示物など) 3,970円
旅費交通費 14,480円
印刷製本費(パンフレット) 4,492円
賃借料(レンタルキッチン) 9,470円
送料(展示品) 1,850円
合 計 34,262円
  • 活動資金(支給額) 38,000円
  • 活動経費(支出額) 34,262円
  • 残金 3,738円
内 訳
項 目 消耗品費(展示品制作の材料費・展示用掲示物など) 小 計 3,970円
項 目 旅費交通費 小 計 14,480円
項 目 印刷製本費(パンフレット) 小 計 4,492円
項 目 賃借料(レンタルキッチン) 小 計 9,470円
項 目 送料(展示品) 小 計 1,850円
合 計 34,262円

企画書、レポート

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