八王子市館ヶ丘団地の自治会を支援する
デザインプロジェクト

  • 団体名 CDS(Community Design Supporters)
  • 代表者 工学部 デザイン学科 4年 加藤 岳大
  • 参加メンバー人数 13名

実施スケジュール

2019年5月8日~10月29日
5月8日 自治会にシャッターともくもく広場に関するアイデア提案
5月27日 もくもく広場に使用する道具の検証
6月14日 シャッターアートに使用する型紙の検証及び試作
7月4日 検証及び試作の結果を踏まえたアイデアの提案
7月17日 シャッターアートに使用するアイテムの検証及び試作
7月29日 自治会シャッターアート右側 アイテムの制作
7月30日 自治会シャッターアート右側 本制作〜31日まで
8月20日 まごころ保育園のワークショップで使用するキャラクター「けろりん」の試作
9月3日 まごころ保育園で行うワークショップ「けろりんつくろ」準備日
9月5日 まごころ保育園で行うワークショップ「けろりんつくろ」の開催日
9月17日 自治会と「木に顔つけよ」ワークショップのミーティング
9月19日 もくもく広場で行うワークショップ第一回「木に顔つけよ」の準備日(〜20日まで)
9月22日 もくもく広場で行うワークショップ第一回「木に顔つけよ」の開催日
10月18日 紅陵祭(ワークショップ)
10月22日 もくもく広場で行うワークショップ第二回「木に顔つけよ」のミーティング
10月23日 自治会シャッターアート左側アイテムの制作
10月28日 もくもく広場で行うワークショップ第二回「木に顔つけよ」開催(〜30日まで)
10月29日 自治会シャッターアート左側 本制作

実施内容・成果

 八王子国際キャンパスに隣接する館ヶ丘団地(1975年開設)は、人口3,000人強、平均年齢70歳超、高齢化率(65歳以上人口の割合)56%、そのうち約半数が独居者という「超高齢化団地」である。かつては1万人超が暮らし、4つの街区ごとに自治会が存在していたが、高齢化・人口減少を背景として自然消滅または解散に至った。2010年3月、団地の課題を共有する住民有志により、新たに「館ヶ丘自治会」が発足した。会員数は徐々に増加し、現在500名弱を数える。同自治会は基本的な自治活動のみならず、地域サポーターの協力を得て、団地内自転車タクシー(「八王子市シルバーふらっと相談室館ヶ丘」との協働、2013年1月〜)など、特色ある活動に取り組んでいる。その一方、発足時より役員人材や財政面の問題を抱えており、活動を平易に伝える会報の発行など、会員増のための工夫を重ねているが、その効果は限定的とのことであった。私たちCDSは、同自治会と協働し、
1)団地内公園「もくもく広場」をフィールドとした地域コミュニケーションの活性化プロジェクトと、
2)空き店舗の多い団地商店街のシャッターを活用した地域の魅力向上プロジェクト、の2つに取り組んだ。

館ヶ丘自治会とミーティング
シャッターアート制作(左側)
シャッターアート制作(右側)
シャッターアート完成

1)団地内公園「もくもく広場」をフィールドとした地域コミュニケーションの活性化プロジェクトについて
 少子高齢化により、もくもく広場を訪れる団地住民や団地外の子どもが減少していることに着目し、同広場をフィールドとした「公園の魅力再発見ワークショップ」を実施することとした。まず、館ヶ丘団地内『まごころ保育園』の協力を得て、9月5日(木)にレゴブロックを使用した園児向けワークショップ『けろりんつくろ』を実施し、もくもく広場に住む妖精オリジナルキャラ『けろりん』を子どもたちと一緒に制作した。続いて、9月22日(土)に、もくもく広場をフィールドとした子ども向けワークショップ『木に顔つけよ』を実施した。参加者は広場内の木を選び、キャラクターを設定し、その目と口をレゴブロックで制作、テグスで木に取り付けた。当日は広場に園児が制作した『けろりん』が飾られ、多くの関係者の来場を得ることができた。以上の両ワークショップの連動によって、もくもく広場に非日常的な魅力を付加するとともに、来場した団地住民と子どもたちの間に、間接的なものを含めたコミュニケーションを誘発させることができた。最後に、今後のワークショップ継続性を高めるため、10月28〜30日の3日間、もくもく広場でCDS主体の『木に顔つけよ』を実施し、必要な手順やツール等について検証した。その際、普段と異なる公園を住民の方々に楽しんで頂くことができた。
2)空き店舗の多い団地商店街のシャッターを活用した地域の魅力向上プロジェクト
 団地内の空き店舗数は5件(2019年10月31日時点)あり、賑わいが失われている。早々に人気が無くなる夜間においては、まさにシャッター街といった寂しさである。これらの印象を和らげるとともに、商店街に新たな魅力を付加するため、シャッターを華やかに装飾することとした。その呼び水として、自治会事務局のシャッターを使わせて頂いた。シャッターは左右が独立した一般的なスチール製で、団地を管理するURの所有物である。そこで、容易に原状復帰できることを前提に、水拭きできるクレヨン筆記具『kitpas』を画材として採用した。このことにより、今後のデザイン変更を容易にし、定期的な住民参加を促すことができる。完成したシャッターアートは、向かって右側が自治会活動を象徴する複数のアイコンで、左側が音符フレーズとなっている。閉まっていても、活動時の雰囲気を伝えることが目的である。どちらの描画も、住民が気軽に参加できるよう、厚紙をレーザーカットした型紙によるフラット・デザインとした。1つを10〜15分で描ける。その他の主なツールは、型紙を保持する磁石である。自治会関係者はもちろん、多くの住民から好評を頂いており、今後も他のシャッターに展開していく予定である。

ワークショップ「木に顔つけよ」試作
まごころ保育園ワークショップ「けろりんつくろ」制作
まごころ保育園ワークショップ「けろりんつくろ」完成
ワークショップ第一回「木に顔つけよ」
ワークショップ第二回「木に顔つけよ」
CDS一同

活動を終えて

 概ね当初の予定通り実施することができ、自治会の方々含め多くの団地住民から高い評価を頂くことができた。個別に見ていくと、スケジュールの調整不足や段取りの確認不足などの反省点や改善点があったと思うが、そのことを含め今後の支援に役立てていきたいと考えている。

会計報告

  • 活動資金 190,000円
  • 支出総額 190,000円
内 訳
項 目 小 計
消耗品費 ワークショップ用 ニッパー等 6,497円
ワークショップ用 テグス等 767円
ワークショップ用 レゴデュプロ 55,689円
ワークショップ用 レゴデュプロ 17,485円
ワークショップ用 レゴデュプロ 16,446円
ワークショップ用 レゴデュプロ 30,462円
シャッターアート用 キットパス 2,910円
シャッターアート用 キットパス 13,200円
シャッターアート用 キットパス 1,428円
シャッターアート用 A2厚紙等 8,363円
シャッターアート用 マグネット等 2,268円
シャッターアート用 テープ等 913円
印刷製本費 ワークショップ成果報告用冊子(一部自己負担) 33,572円
合 計 190,000円
その他活動資金以外にかかった経費【自己負担分】
項 目 小 計
印刷製本費 ワークショップ成果報告用冊子 1,271円
合 計 1,271円
  • 活動資金 190,000円
  • 支出総額 190,000円
内 訳
項 目 消耗品費: ワークショップ用 ニッパー等 小 計 6,497円
項 目 消耗品費: ワークショップ用 テグス等 小 計 767円
項 目 消耗品費: ワークショップ用 レゴデュプロ 小 計 55,689円
項 目 消耗品費: ワークショップ用 レゴデュプロ 小 計 17,485円
項 目 消耗品費: ワークショップ用 レゴデュプロ 小 計 16,446円
項 目 消耗品費: ワークショップ用 レゴデュプロ 小 計 30,462円
項 目 消耗品費: シャッターアート用 キットパス 小 計 2,910円
消耗品費: シャッターアート用 キットパス 小 計 13,200円
項 目 消耗品費: シャッターアート用 キットパス 小 計 1,428円
項 目 消耗品費: シャッターアート用 A2厚紙等 小 計 8,363円
項 目 消耗品費: シャッターアート用 マグネット等 小 計 2,268円
項 目 消耗品費: シャッターアート用 テープ等 小 計 913円
印刷製本費: ワークショップ成果報告用冊子(一部自己負担) 小 計 33,572円
合 計 190,000円
その他活動資金以外にかかった経費
【自己負担分】
項 目 印刷製本費: ワークショップ成果報告用冊子 小 計 1,271円
合 計 1,271円

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